神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~

・大丈夫



「いやぁ、最近は気分がいいなあ」


普段と変わらない教室で、雷牙が大きくのびをする。


「どうして?」

「あのでっかい変人がいないからに決まってるだろ」


でっかい変人……四郎くんのことね。


四郎くんはこの3日くらい、学校に来ていない。


別にもともと来る義務はないんだけどね。


「今頃、なにしてるのかな……」


朝早く出ていって、夜中に帰ってきて、何をしていたか聞く前にご飯を食べて寝てしまうのが、最近の彼だった。


「さあな。食べ歩きでもしてんじゃねえの?

いい気なもんだよな。俺と兄貴は夜中までオロチの気配を追って歩き回ってるっていうのに」


ふわああ、と雷牙が大きなあくびをする。


この前、鬼が奈々ちゃんに憑依し、あたしを襲ってきた。


もしかしたら、オロチは本当に、あたしの匂いを覚えていて、食べようとしているのかもしれない。


そう心配したスサノオ兄弟は、あたしが食べられてしまう前になんとかしようと、オロチを探している。


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