私は男を見る目がないらしい。
3.秘密を抱えた男

*痛みと安心感と、何か 「……すっげぇ心配した」

 

**

「……うぅ……」


痛い。

もう、めちゃくちゃ痛い。

私は仕事の昼休み時間、自分のデスクに突っ伏していた。

朝から私を苦しめるのは、生理痛だ。

月一のお客様は昔からたまに私をこうやって苦しめるんだ。

薬を飲んだというのに全く治まってくれなくて、今日は朝から仕事に全く集中できないでいた。

このままだと絶対にミスする。

昼にやる予定の仕事は集中力が命の作業なのに……集中なんてできる気がしない。

どうしよう……


「相原さん?」

「え……?」


上から降ってきた声は三浦さんのものだ。

私は何とか身体をむくりと起こし、三浦さんの方を振り向いた。

 
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