いちごパンツのポートレート
素直になりたい
怖いくらい私を見ている。
そしてひと言
「分かった」
そう言って手に持っていた鞄から書類を取り出した。
「この書類に署名捺印したら下僕生活から解放してやる」
酔っていてまともに書けるか分からなかったけれど……
この重苦しい状況から一刻も早く解放されたくて、
学の指差す欄に住所と名前を殴り書きしてポーチに入っていた印鑑を押した。
「これで晴れて自由の身ね。悪いけどもう帰ってくれる?」
私の言葉に怒りを滲ませながらも書類を鞄にしまい。
ドアに向いかけた足がくるりと方向転換してまた戻ってきた。
私のボストンバッグから携帯と財布を取り出し自分の鞄に入れる。
「なっ何してんのよ。返しなさいよ」
「今から小原家に行ってくる。直ぐ戻ってくるからおとなしく待ってろ!
まぁーどこにも行けないよなぁー財布とスマホないし、
そんなに酔っぱらってたらさ……そんじゃ行ってくる」