悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~

ネックレスの力



「今日はこのようなたくさんの方々にお集まり頂き、とても嬉しく思います」


フランさんが両手を広げ、集まった悪魔達に言葉をかける。


悪魔達は椅子の横に立ちながら、微笑んでフランさんに目を向けていた。


「本当はもっと早く、こうやって皆さんが集まれる場を設けるべきだったのに、申し訳ありません」


フランさんの頬笑みを見ていると、とても心が落ち着く。


悪魔の頬笑みが落ち着くなんて、ちょっと変かな?


「今回のこのフェスティバルのテーマは、『悪魔と人間の共存』。今日この会場に、3人の方を人間界からお呼びしました」


フランさんが言うと、悪魔達は自然と梓と庵可くんの立つテーブルを振り返り、ふたりは恥ずかしそうに頭を下げていた。


そして、あたしの方にも視線が向いたので、ルカの隣で小さく頭を下げる。


「私達悪魔は、人間から学ばないといけないことがまだまだ多くあります。このフェスティバルを通して人間との交流を深め、この魔界をよりよく変えていければ良いなと思っております」


パチパチパチと拍手が起こる。



< 179 / 296 >

この作品をシェア

pagetop