彼の秘密と彼女の秘密



久々の東京。
あいかわらず息苦しくなるけど、今は大丈夫。
凛が手を繋いでいてくれている。嵐もいる。



「瑠璃ちゃん、あいかわらずあっちにもこっちにも瑠璃ちゃんの顔ばっかりやなー」

「僕には不愉快です。僕だけのものなのに」


ふくれている凛の耳に


「でも他にいろんな事知っているのは凛だけでしょ?」


凛は顔が真っ赤になる。


「瑠璃のおバカさん。仕返ししますから覚えといてもらいましょう」

「怖いよー」


嵐の影に隠れる。
でもそれすらも気にいらないらしくてすぐ、手を繋がれて早足で行こうとする。


「もうすぐ着く?どんなとこ?」

「鞍馬邸みたいに和風ですよ。池も桜もありますし、道場もあります。
後はそうですねぇ、今回は使用人がいます。御影邸は僕所有の屋敷ですから。
ですから、もう瑠璃は夕食は作らなくて大丈夫ですよ」

「そうなんだぁ...ちょっと楽しかったのになぁ...」

「たまには作ってみたらいいのではないのですか?」

「なんかわくわくしてきちゃったなぁ」


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