♀ my prince ♂
smile.6

もう一人。




―もうすぐ。


入学してから2ヵ月というある休日。




「何?あれ…」



「さぁ~、何だろうね?」


学校に続いている渡り廊下の方にたくさんの女の子たちがいて…
私も夏凛ちゃんも何が起ころうとしているのか全然分からなかった。



すると突然―…、




「「きゃ~…!!」」


女の子たちが黄色い声を上げ始めた。


それと名前も言っているみたいなんだけど…
騒がしすぎて、全然よく聞き取れなかった。




すごいなぁ~…玲央くんみたい…。




そんなことを思っていると。



「…??」


女の子たちの間をかき分けて誰かが、
こちらの方へやってくるのが分かった。



「…あっ!小嶋さんっ」


女の子たちをかき分け出てきた彼は夏凛ちゃんの名前を呼ぶ。



「渡部くん…?え!もう帰ってきてたんだ」



「うん。昨日ちょうど帰って来た」



夏凛ちゃんと、その彼は喋り出す。




そしてその彼は…玲央くんに引けを取らないほど顔の整った男の子だった。




ぅわ~…玲央くんぐらいイケメンじゃん。
っていうか…この人、誰なんだろう…?




「あの、夏凛ちゃん…知り合いなの?」


夏凛ちゃんと親しげに話す、この彼が非常に気になった私は夏凛ちゃんにそう聞いてみた。



「えっうん。てか知らないよね?」



「うん…」


申し訳なく、そう返事をする。



「この人はー…」



「もしかして、きみ…?鈴村 未亜って女の子。」


夏凛ちゃんがそう言いかけた時…その彼にそう聞かれた。



「えっうん、そうだけど……何で知ってるの?」




え…!?何で私の名前なんて知ってるの…!?
私はあなたの名前すら知りませんけど…っ





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