白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
第3章

ドキドキ加速する体育祭



足のケガの為、あまり体育祭の練習に参加できないまま、当日を迎えてしまった。


足の捻挫はもう、ほぼ良くなっている。


リレーを走るのは、問題なさそうだ。


あたし達のクラスは青組み。


朝のHRを終えてグラウンドに向かうみんなのおでこには、青組みのハチマキが巻かれている。


あたしも、取れないように頭にハチマキを巻く。


ギュッときつく巻くと、一気にやる気モードに。


よし!! 今年は柊もいるし、いいところをたくさん見せなきゃね。


「気合は十分みたいだけど、もうケガはすんなよ?」


マキと校舎を出てグラウンドに向かう途中で、後ろからハルに声を掛けられ、ムッとして目を細めて振り返った。


「もうケガはしませんのでご心配なく」


あたしはベーっと舌を出したあとに、フフフと笑う。


「マジでもう大丈夫なの?」


さっきまで冗談交じりだったハルが、急に真面目な表情で、歩くあたしの足首を見下ろした。


「う~ん、まぁ大丈夫。リレーくらいならなんとかなるでしょ」


「本当かよ。痛かったら正直に言えよ? もっと酷くなったらどうすんだよ」



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