ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛

12.





綾奈ちゃんと話をした日の翌日。仕事を終えた後、私の姿は新宿のとあるレストランにあった。

『シグナル』看板にそう書かれたレストランはほんのりと照明の灯る雰囲気のあるフレンチレストラン。

そのお店の窓際の席で、私はフォークで刺したお肉を一口食べた。



「ん〜…おいしい!」

「よかった、口に合うみたいで」

「おいしすぎです!柔らかくて味が染みてて…最高です!」



口に広がる肉汁とソースの味に、私は興奮気味にまた一口頬張る。そんなこちらを見て、桐谷さんはクス、と笑った。



「でもすごいオシャレなお店…桐谷さん、よく来るんですか?」

「うん。ヤスとも来たことあるよ」

「えぇ!?お兄ちゃんと!?」

「その時ヤスも美紅ちゃんと同じ料理頼んで同じようなリアクションしててさ、やっぱり兄妹だねぇ」

「え!」


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