君に咲く花火

2

___それは、2日後のことだった。

いつもの朝、たくさんの外国人がチェックアウトしている姿をロビーで見ていた私に、ソムサックが声をかけてきた。

「実羽ちゃん、サムイ島、楽しんでいる?」

この数日、ソムサックとこうして時折話をするたびに、なんでお姉ちゃんがソムサックを好きになったのかがだんだんとわかるような気がしている。

ソムサックは、いつも穏やかでニコニコしているし、私にもお姉ちゃんにも、まるで家族のようにやさしく接してくれていた。

ソムサックの顔や声を見ると、すごく安心できたし、暑い日差しのなかを歩いて帰ってくるとすぐに冷たいミネラルウォーターを差し出してくれるのもうれしかった。

「サムイ島、すっごく楽しいよ」

「へぇ、どこが?」

うれしそうにとなりのソファに腰かけて、ソムサックは目を開いて私を見た。

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