初恋はカフェ・ラテ色

罪悪感の言いわけ

翌朝、いつもより早く目が覚めて、クローゼットの中を物色し始める。

今日も雨が降っているけれど、ムシムシとした陽気。

涼しげなシャーベットオレンジのワンピースを選ぶ。袖の部分がレース素材でスカート部分は若干短いAライン。

先週買ったばかりで、まだ着て出かけたことがなかった。

ワンピースを着て居間へ行くと、お母さんが卵焼きを作っているところだった。

「お母さん。おはよう」
「おはよう。あら? 今日は30分も早いんじゃない?」
「ちょっと早くに目が覚めたの」

お母さんは得意の卵焼きをお皿に移したところで私を見る。

「その格好で職場へ行くの?」

襟ぐりが広く開いているワンピースにいい顔をしない。

「お母さん、今日の夕食いらないから」
「えっ? あかりちゃんと会うの?」

お母さんは洋輔さんに相手にされないのを知っているから中学、高校と同じだった親友のあかりと会うとでも思ったみたい。それはそれで都合がいい。いろいろと勘ぐられたくないから。

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