恋物語。

大切な日




―4月も半ば。


とある休日のお昼間。
今日は久しぶりに…朱里とカフェに来ている。




「そういえば知沙って…もう新しいとこに住んでるんだっけ?」


カフェオレを飲みながら朱里がそう聞いてくる。



「うん。」



「どれくらい?」



「ん~…もうすぐ一週間かな。」


アイスティーに口をつけた私はそう答えた。



彼のお家で同棲を始めて…一ヶ月くらい経った頃。

ようやく仕事の方が落ち着いてきたから、これから一緒に住む家を探し始めた。
週末には不動産屋さんに行って…気になるお部屋も見せてもらって…。


そして、4月に入った頃…やっと私たちの新しい新居が決まった。
実は…今いる駅前のカフェからも近かったりとかしちゃったり…。




「そっかー。でも、あの知沙が結婚するとはねぇ~…世の中、変えようと思えば変わるもんだね!」



「って朱里…っ!そういう朱里だって、もう結婚したじゃん!」




―そう。


親友の朱里は…彼氏だった純也くんと既に結婚している。

確か…去年のクリスマスにプロポーズをされたらしい…。
私はその頃…熱に浮かされてベッドで寝ていた頃だけど。

しかも、この話を聞いたのは年が明けてからで…




『何でもっと早く言ってくれなかったの~!?』



『だって知沙、井上さんと“よろしく”やってるかなぁ~…って思って。』



と。ニヤニヤした顔の朱里に言われたんだっけ…??




た、確かに…“よろしく”かどうかは分からないけど…
やることは“やってた”っていうか…それ以外にも…いろいろ…。





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