キミとネコとひなたぼっこと。～クールな彼の猫可愛がり方法～

３．近付くキョリ、消えたネコ

～命

　
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ふと昔のことを思い出す。

私の物心がつく頃から飼っていた犬……モコのことを。


モコはマメ柴のメスで、近所の家で生まれた子犬であるモコを姉がもらってきたのが始まりだった。

モコが家に来た当初、私は小さかったのもあって、ずっとモコのことが怖くてモコから逃げる日々が続いていたけど、年を重ねて成長するとともに、次第に私はモコに触れることができるようになっていった。

そして、中学生に上がる頃には歳の離れた姉は県外に就職することになり家を出てしまって、自然と私がモコの散歩係をするようになっていた。

モコは何でも話せる友達。

学校にもちゃんと信頼できる友達はいたけど、友達や親には話せないようなこともモコには全て話していた。

犬に人間の言葉は理解できないとわかってはいたけど、モコは何も言わずに聞いてくれるから。

理解されなくてもいい。

ただその存在がそこにいるだけで十分だったんだ。


高校生になって初めての彼氏ができても、モコとの関係は変わらなかった。

休日、彼氏と遊びに行ってどんなに疲れていても、モコの散歩は欠かさなかったし。

高校卒業とともに大好きだった彼氏と別れてしまった時はモコの姿を見た途端、涙が溢れてきたっけ。

その涙をすくいとってくれたのもモコだった。

大事な大好きな家族のモコ。

モコとずっと一緒に過ごしていきたい。

そう思っていたけど、私の願いは叶うことはなく……モコとの別れは突然訪れたんだ。