流星×零姫―黒龍の寵愛姫―

star15, 寵愛ヒメ







――ずっと、そばに居れない。




『海どうだった?』




陽也さんにそう聞かれた。


電話越しの陽也さんの声は久しぶりだわ。


と言っても、数日しか経っていないけれど。




「とても、楽しかったですよ。」




私はそう言う。


陽也さんは「そうか。」と素っ気なく答えた。




『しばらくの間、来れないと思う。』



「そう、ですか・・・。」



「あぁ、用事あるからまたな。」




そう言って、陽也さんは電話を切った。


暫くの間、陽也さんには会えなくても大丈夫なんだ。


きっと陽也さんの顔を見たら、当麻と陽也さんへの罪悪感であふれるだろう。


私は2人を裏切っている。







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