さくらへようこそ

2-3.両手に花?

その翌日のことだった。

美桜がいつものように準備をしていると、ドアのベルが鳴った。

「すみません、まだ準備中で…」

入ってきたのは安部だった。

「安部さん?」

美桜は首を傾げた。

今日は彼が働く日ではないはずだ。

「うぃっす」

安部は手をあげてあいさつをすると、カウンターの椅子に腰を下ろした。

「飲みにきたんだったら出さないわよ」

そう言った美桜に、
「違うよ、飲みにきたんじゃねーんだよ」

安部は言い返した。
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