美狐はベッドの上で愛をささやく

*・゚★。・*いっしょに×××。*




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。 。
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ジャーーーーーー。





わたしの目の前では、水道の蛇口から流れるお湯が、勢いよくバスタブに向かって流れ込んでいる。


「紗良(サラ)ちゃんの髪は美しいね」

わたしの真上から聞こえてくる声は、紅(クレナイ)さんのもの。

彼の声がバスルームに膨張して、響いている。


少し高い窓から外を見れば、もう空は真っ暗で、綺麗なお星さまが点々と輝いていた。


髪の毛に触れる優しい感触はとても気持ちがいいものなんだけど……。

素直に気持ちがいいとは言えない、今の状況だったりする。



「………………」



――はい。

わたしは今、バスタオルを目いっぱい体に巻きつけて椅子に座っています……。



そして紅さんは……着ているシャツの袖をまくり上げ、わたしの長い髪を洗ってくれてます。

どうやら紅さん、わたしのこの汚らしい髪が気に入ったらしく、お風呂には一緒に入れないってそう言ったら、せめて髪の毛だけでも洗わせて欲しいと頼み込まれ、今に至ります。


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