誇り高き

散華

「……はぁ、はぁ」

真っ暗な部屋で私は一人、飛び起きる。

「夢、か…」

今宵は新月だから。
思い出してしまった。

飛び散った紅の華弁を。

私は唇を噛んだ。

「全て、夢だったらよかったのに」

私のしてきたことも。
私の存在も。

誰かが見てる夢だったら。


_____良かったのに。


「新月なんて、来なければ良いのに」

月の無い空を恨めし気に睨む。

そうすれば私も人を殺さずに済むのだから
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