青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。

嘘つきたちの涙



あのあと、利乃とトモはすぐに戻ってきた。

校舎はすでに閉まっていたらしくて、利乃は「んもーっ」と可愛らしく怒った。


そうして、帰り道。

利乃が途中にあった掲示板を見て、「あっ」と声を上げた。


「これっ、夏祭り!来週の土曜!」


利乃が指差した先には、この街で毎年行われている夏祭りのポスターが貼られている。

トモが思い出したように、「あー、そっか。もうすぐかぁ」と言った。

あたしは隣町の人間だから、あんまり馴染みがない。

去年もあったみたいだけど、利乃は全く話題にしなかったから、行かなかったんだ。


「ねねっ、行こ!?みんなで行こう!」


はしゃぐ利乃に、三人で顔を見合わせる。

来週の土曜っていったら、もう夏休みになってるし。

特に予定は、ない。


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