優しくないっ、優しさを感じない!

そしてこれが、そのきっかけ





「こ、これが夏休みの宿題…」


思わずゲンナリしてしまった。だって多い。かなり多い。てか、急な事すぎて気持ちがついていかなすぎる。


「テストだって終わったばっかなのにさー、もう少し解放感をだね、感じさせてくれてもいいと思うんだよ」


一難去ってまた一難、あたしの日常は最近常にこれな気がする。

進藤のイザコザが落ち着いたと思ったらコースケの勘違い事件が起こるし、何とかその衝撃がおさまったら次に待ってたのがまさかのテストで、死に物狂いのテスト週間を終えたら最後にドカンと宿題投下。


「なんだか怖い。この後は何が待ってるんだろう…!」

「そんな、大丈夫だよヒロちゃん。もう夏休みだもん、楽しい事がたくさんあるよ」


そう言ってあたしを慰めるのはニコニコ微笑む可愛いレナちゃん。癒しのレナちゃん。


「レナちゃん…」

「うん?」

「夏休みは一緒に遊びに行こうね。レナちゃんは塾が大変かもしれないけど…」

「もちろんだよ!そのために塾頑張るよ! 」

「レナちゃん…!」


遊ぼう!絶対遊ぼう!と、あたしはレナちゃんの手をガッチリ握りしめた。うんうん、そうだよね。レナちゃんはあたしの癒し。


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