光のもとでⅡ

Side 翠葉 03話

 ツカサの態度は数日で元に戻り、以来鎌田くんとのメールには触れずにきた。
 私が返信した唯兄取り扱い説明書に対する返信もなければ、ツカサが送ってきた謎の長文メールが話題に挙がることもなかった。
 でも、話題に挙がらないからいいや、と自分が思えることはなく……。
 どうしてかというならば、その後、私の携帯が鳴るたびにツカサが気にしているように見えたから。
 そんな変化には気づいたけれど、私はツカサに直接訊くことができなかった。

 ゴールデンウィーク数日前に鎌田くんから連絡があった。
 いつもと違ったのは連絡方法。
 いつもはメールなのに、このときは電話だったのだ。
「もしもし?」
『あのさ――ゴールデンウィークって何してるっ?』
 突然の問いかけに思考が一時停止。
 数回の瞬きのあと、慌てて思考を再開させる。
< 122 / 1,333 >

この作品をシェア

pagetop