可愛げのないあたしと、キスフレンドなあいつ。

王様の逆鱗?


【王様の逆鱗?】




「ラブラブ週間はどうしたの?お休み中?」



授業の途中に「お腹が痛いから保健室行きます」と言って中座して。足音を殺して図書室までやってくると。

いつもあたしが座ってる、自習用ブースの区切られた狭いパーテーションの中に王様が転がっていた。


すぐに渚が噛み付いてきそうなネタでいじってやったのに、渚は長い脚を投げ出して床にあおむけに寝たまま動かない。



「渚?」

「……あんま近寄んなブス。パンツ見せんな」



渚の頭があるのは、丁度あたしの足元。

それでもかまわずにあたしがその場に立ったままでいると、渚は諦めたように半身を起こした。それからいかにも面白くなさそうに吐き捨てる。



「すこしは恥らえよ。おまえほんとに女か?」

「さあね。なんだったらここで脱いであげるから、渚確かめてみる?」

「………ふざけんな。おまえヤりたいだけだろ、欲求不満のビッチが」



渚が苛立ちをぶつけるように、力任せにあたしの体を引き寄せて、床に倒して。
狭いパーテーションの中がさらに狭くなる。

覆いかぶさってきた渚がそのままキスしてこようとしたから、焦らすように顔を背けてやると。


「…………おい」


キスし損なった渚は、不満そうに顔を歪める。



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