初恋は涙色に輝く…

#6 卒業



そして、あっという間に卒業式だ。
と言っても、既に式は終わってるんだけど。


私は、外で別れを惜しむ卒業生と、泣きじゃくる在校生を他人事のように教室の窓から眺めていた。


本当に時間が経つのが早すぎて嫌になる。

いつまでも振り切ることができなかった自分の気持ち。


本当は、全部終わらしてスッキリした状態でもう1度話したいと思っていた。

でも、結局無理だったなぁ。


さすがに、気持ちを消すより早く、物理的な別れが来てしまうとは思っていなかった。


でも、これで良かったのかもしれない。

卒業だもん。このまま会うことがなければ。


そうすれば、自然と忘れていけるから。





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