極道に愛された、氷と炎の女の物語。(仮)
夜の支配者
お母さんが死んでからも、時間は止まりはしなかった。
あれ、前より部屋が広いな…。
無意識にそんなことを思う。
今日は、そんな家の中にたくさんの人がいる。
みんなが黒い服を着て、遺影の前で手を合わせている。
そういえば、今は葬式なんだ。
参列者をボーと見ていて、ふと気がついた
みんなが泣いてる。
お母さんはたくさんの人に愛される人だったんだ。
家出の子供とかをほっとけない人だった…。
お節介なおばさんだった…。
そんな、優しいお節介なお母さんが…!
なんで……なんでお母さんが死ななくちゃいけなかったの?