狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

Ⅰ―ⅸ 不可解な目撃情報



『キュリオ様、失礼いたします』


「入れ」


かしこまったような声が扉の外からかかりキュリオが答えると、若い大臣の一人が深く頭を下げながら入ってきた。


「赤ん坊の発見された場所、その容姿から現在付近の村や町をあたっております。
今のところ有力な情報はありませんが、いささか気になる目撃情報がありまして…」


「…話を聞こう」


二人はキュリオの部屋の一角にある白銀の細工が施されている美しいソファに腰をおろした。大臣の話を聞きながら運ばれてきた紅茶のカップを手に取ると、民に目撃されたというその内容がにわかに信じられず…女官に抱きかかえられている赤ん坊に目を向けると静かに呟いた。



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