Witch and Vampire ―恋物語―


少女は走っていた。

後ろから何人ものヴァンパイアがにやにやとしながら追いかけてくる。

「大丈夫だよ~」

「怖いことなんかないよー」

そういいながら、そいつらの手にはナイフがあり、そして少女の服もボロボロでところどころ血がにじんでいた。

「はぁ・・・はぁ・・・」

少女は後ろをちらりと振り返った後、比較的大きく太い木の後ろに隠れた。

「はぁ・・・」

大きく息をついて座り込む。

ずっと握りしめていた手を広げると泥と血で汚れた手がそこにはあった。

少女は大きく深呼吸をした後木から少し顔を出して自分が今まで走ってきた方向を見る。

その時、さっき自分のことを追っていたやつを見つけた。

「ぅっ・・・」

すぐに顔を戻すが、


カサッ


下に落ちていた落ち葉を触ってしまい、音が鳴った。

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