薫子様、一大事でございます!
第7章

大切な人の帰還



“落とし前をつけてくる”


そう言い残して北見さんが事務所を出て行ってから1週間。

電話もメールもなしのつぶて。


落とし前をつけるどころか、逆に大介さんにやり込められているんじゃないかと、夜も眠れない日が続いていた。


静か過ぎる事務所で一人(プラス二匹)、ぼんやりとデスクに頬杖を突いていると、ドアがノックされる音に飛び上がった。



――北見さん!?



足をもつれさせながら、なんとかドアまで辿り着く。


開いたドアからは――……


「沙織さん!?」


思わぬ人が顔を覗かせた。

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