鎖恋-僕たちクズですー

クズな女 

英二と別れて・・・っていうか、一方的に振ってせいせいしたけど

なんだか恋が終わるとどっと疲れを感じる。

半月は仕事ばかりに集中してて、仕事以外は誰とも接しないで独りで過ごした。

男性恐怖から対人恐怖にまで発展したというのか・・人に会うのも億劫でしょうがない。

そんな私を見る同僚たちの視線は日に日に痛く・・

私は職場以外の居場所を探していた。

夜の街

一人でフラフラ徘徊するのもなんだか好きだった。

見知らぬ人と酒を飲み・・朝まで騒いで・・

大衆に身を置くとなんだか独りではないような感覚で寂しさが紛れた。

それでもまだまだ・・恋愛したい年頃。

寂しくなると、ついついナンパしてくる男たちの餌食となって

朝まで貪欲に溺れてしまう。

週末は大抵、朝帰り。母は心配していた。

私はそれを見て見ぬふりをしながら

今をなんとなく楽しんでいて

正直、自分がクズっていると思っていた。

寝室からはゆうの部屋が見える。

ゆうが東京へ行ったあとも

ゆうのお母さんが毎日ゆうの部屋を掃除している。

朝はカーテンを開け

夕方には明かりがついている。

まるでゆうが生活しているかのような感じで

私はゆうの部屋をただじっと見るのが好きだった。

「あの頃は良かったよなー・・・」思い出すのはそんな淡い学生時代のことばかり。

大人になった今、なんてつまらない毎日なんだと自分を責める。

そして不倫していた自分にも腹が立つ。

「あー・・・もうイヤ・・」

これからがまったく見えない私は

なにか見つけなきゃって

手っ取り早く求人誌を読みあさった。


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