小悪魔的な彼と悲観的な彼女

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『すみれさん、こっちにおいで』


…拓也君は、私を甘やかす。


『大丈夫だよ。すみれさんが頑張ってるの、僕は誰より知ってるよ』


私が一番欲してる言葉をいとも簡単に探り出し、


『すみれさんには、僕が必要だもんね』


私を縛り付ける言葉を、彼は嬉々とした瞳で声に乗せる。


ーーそして、


『だって…言ったよね、すみれさん』


これらと同様に何度も何度も、言い聞かせるように告げられるのはーー


『僕が居ないとすみれさんは死んじゃうもんね』



初めて出会ったあの日の、この関係になるきっかけとも言えるその言葉。

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