オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ

希和side



京夜様のマンションを出て、会社へと向かう。

その足取りは恐らく入社してから、一番軽やかだと思う。


大通りまで歩いて、そしてタクシーを拾った。


いつもは実家からバスで通ってたけど、

マンション付近にはバスが走っていない。

しかも、京夜様から命を受けている。


『電車とバスは使うな』


何故かと聞き返したら、

顔を真っ赤にしながら彼はこう言った。


『幾ら武術が出来ると言っても、満員車両の中では出来る事に限りがある』


恐らく、痴漢に遭うと心配してくれたみたい。

私みたいな女なんて、誰も気に留めたりしないのにね。


でも、彼の気持ちが嬉しくて、約束をしっかり守ろうと思うの。


世の男性が私を『女性』として見てくれなくても構わない。

彼さえ『女性』として見てくれたら、それで充分。



私はタクシーに乗り込んで会社を目指した。






会社に到着した私は一目散に自分の配属部署へと向かう。


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