逢いたい夜は、涙星に君を想うから。

・泣いていいんだよ






☆凜side☆




――――――……


学校の昼休み、誰もいない図書室であたしはひとり過ごしていた。



窓から差し込む陽の光が暖かくて、机の上に突っ伏して目を閉じる。



昨日の夜のことを思い出していた。



“朝までずっと、そばにいるから”



橘くんの肩にもたれて朝まで眠った。



隣に誰かがいてくれる重みを感じて、



そのぬくもりの温かさに



凍りついたはずの心が溶けていくような気がした。



“ひとりじゃないよ”



橘くんの手を握りしめたまま、本当は明日なんて来なければいいと思った。



この毎日から逃げ出したかった。



けど、知ってる。



やっぱり現実からは何も逃れられることはできないってことを。



――トンッ。



その音に目をパチッと開けると、白いビニール袋が机の上に置いてあった。



勢いよく体を起こすと、机の前に橘くんが立っていた。
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