罰ゲームでヤンキー君に告白されました。

膝枕



次の日の昼休み。


できればこのままもう会わずにいたいと思ったのに。


龍也君が、教室に私を迎えに来た。


教室の後ろの扉から少し顔を覗かせている。


今日はいつもに増して目つきが悪い。
相変わらず立っているだけで存在感が半端ない。


龍也君の周囲だけ不自然に丸く空間があいて、色んな所から視線がばしばし突き刺さってる。

龍也君本人は気にならないのかなぁ……。



えみにとんとんと肩をつつかれる。

「ねぇハル、なんかいるけど」

「うん、見えてる」


えみは苦笑しつつ、心配そうにこちらをうかがっている。


「あんたさ、大神となんかあったの? あれだったら私、迷惑だって言おうか?」


何かを感じ取ったのか、えみが気を使ってくれる。


「ううん、大丈夫。行ってくるね」



私の顔が見えた途端、彼は大きく手を振る。


「ちょっと来い」

「う、うん」


私は急いで彼の近くに駆け寄った。

< 71 / 174 >

この作品をシェア

pagetop