時を越えて~タラシ女子と新撰組~

二十:やっぱり君だけ






「南さん!!うちの店のお団子!!よかったら持っていってください!!!!」




「南さん!!亀和屋(キワヤ)の豆大福!!すごくおいしんよ!!もらってください」




「「「南様!!お勤めご苦労様です!!」」」




巡察に出た南率いる十一番組の足先を阻むのは、長州の過激派浪士や不貞浪士ではなく、可愛く着飾った町娘たちだった。




ポンポンと手渡しされる甘味の山に埋れそうになる。が笑顔を保つ。




『ありがとう、美味しく頂くよ。君たち、危ない人も多いご時世だからね日が暮れる前にもう、お帰り』




ここで邪魔だなんていっては可哀想だし。と、優しく帰るようにと促す。




「危なければ、南様が助けてくださるんでしょう??」




「そうですよ!!そんなときのために新撰組がいるのでしょう??」




しかし、町娘たちは一向に帰る気配が無い。




< 285 / 384 >

この作品をシェア

pagetop