Wonderful DaysⅢ【berry’s cafeバージョン】
【第2章】
置き土産
◇
「…………ま、………て…さい」
遠くで誰かの声がして、深い眠りから意識が浮上する。
「…………う……ん?」
誰? まだ眠いんだから、ゆっくり寝かせてよ……。
「マリア様、起きて下さい。新学期初日から遅刻なんて、マーク様に怒られますよ?」
新学期初日?
マーク兄さんに、怒られる?
「……………………」
マーク兄さんに……
「マーク兄さんに怒られるのだけは絶対ヤダ!!」
鬼の形相のマーク兄さんを思い出して、飛び起きた。