神様のおもちゃ箱
第二章

始まりのコロッケパン


――コロッケパンか、やきそばパンか……。

うーん、迷うなぁ。

優柔不断は俺の悪い癖。


大学の売店のパンの棚の前。

迷った挙句、俺はコロッケパンを選んだ。


この手のものは、かなり脂っこいが……今日はそういう気分なんだ。

たまには胃もたれもいいだろう。


俺はそんな事を考えながら、シーチキンおにぎりと烏龍茶も一緒に持ち、レジへと向かう。


木曜は三限からだから、午後からの講義で、わりかしのんびりできる貴重な曜日だ。


しかも今は二限の授業中なので、売店もすいてるし。

二限終わりの昼時になると、ここには花火大会の日のコンビ二並みに、長い行列が出来てしまう。


お菓子売り場でチョコレートを物色している女の子を見て、俺はふとチョコボールを思い出した。

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