総長からの「愛してる」Ⅱ

憎い女と流れる血


《side 美愛》



ベッドに勝手に座り、私と目線を合わせてから海斗は口を開いた。



今まででは考えられないほどの、重い空気を漂わせる。




「美愛は、一宮 宇美 (いちみや うみ)っていうモデルを知ってるか?」



海斗の言葉に私は頷く。



芸能人としてすごく有名なわけではないけど、昔ファッションモデルとして活躍して、今でも雑誌とかテレビでたまに見かける。




一宮宇美は、確かに綺麗だと思う。



セクシーで大人な雰囲気を出して、左目の涙黒子が特徴的なモデルだ。




「まあ、率直に言っちゃえば、それが俺の母親なんだよな。」




< 25 / 427 >

この作品をシェア

pagetop