海辺で恋するシンデレラ ~ Side story ~

出会いは最悪、だけど・・・


「ん……」

「起きた?」



うっすらと開いた目が、俺を捉えジッと見つめる。

きっとまだ夢心地なのだろう。

どうして俺が隣にいるのか、理解できないのかもしれない。


あれから二年――

笑ったり泣いたり、いろいろあったけれど

俺たちは今、同棲している。

そして、昨日あることから喧嘩をしてしまった。


今朝起きたら「少し頭冷やしてくる」とリビングのテーブルの上に置手紙。

直ぐに帰ってくると思ったのに、昼を過ぎても帰って来なくて――

流石に心配になってスマホに掛けても、無機質なガイダンスが流れるだけ。

亜紀が行きそうな店を探し回って、最後に来たのがこのBarだった。

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