今夜、上司と恋します

*



「佐久間さん、お風呂入って来ますね」

「ああ」



素っ気ない態度で返事をする彼に、特に苛立つ事なんてない。
これが彼の通常なのだ。


そして、私自身もとっても素っ気ないと思う。


やる事やったら、お風呂に入ってさっさと着替えてしまうのだから。


スッピンを見られるのも、抵抗があったのは最初だけで今は余裕で彼の前でスッピンでいられる。
眉毛が半分ないそんな私に引く事なく、彼は普通の態度で接してくれた。


いや、違うな。
多分、興味がなかっただけなんだと思う。


私がスッピンだろうが、私がメイクしてようが彼にとったらどっちでもいいって事。


毎度、宿泊をしてくれて支払いもしてくれる事に感謝はする。
その見返りとして体を差し出してる様なモンだ。



少しだけ語弊があるとすれば、私もこの行為自体を歓迎してるって事。



女だって性欲はある。
だから、都合良い捌け口になってるのは確かだ。



上司に対してそんな言い方、ちょっと酷いかもな。


シャワーを浴びながら、男以上に冷たい自分に苦笑した。
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