隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。

◇アイツは王子様



***



「茉奈ちゃん?大丈夫?」



「なんかすごく疲れた顔してるよ、茉奈ちゃん」



次の日に学校へ行くと、すみれとたっくんが私を見てそう言った。



「うん、私疲れた。あと9日もこんな生活できない」



「こんな生活って…?」



頭にはてなを浮かべたすみれが私に問いかける。



「べ、別に何でもないよ!ちょっとお母さんとケンカしたくらいで…!」



とっさにウソをつく。



ごめんね、すみれ。



宙と同居生活を始めましたなんて、仲がいいふたりにも口が裂けても言えない。



「お母さんとケンカ!?何があったの茉奈ちゃんっ」



目をうるっとさせながら私を心配してくれるすみれ。



私のこんなウソを信じてしまうくらい純粋で、そんな子にウソをついてしまった私は……



急に罪悪感がうまれる。



「大丈夫だから!ね?気にしないで!」



私が一生懸命伝えるとなんとか納得してくれた。

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