隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。

◇アイツはウソ彼氏



***


「はい、始めっ!」



白雪姫の台本ができたらしく、早速劇の稽古が始まった。



「鏡よ鏡。この世で一番美しいのはだあれ?」



す、すごい……!



お妃役の女の子の迫真の演技に圧倒されてしまう。



身振り手振りをつけながら、黒板を鏡に見立てて役を演じている。



なんでも、この子は中学生の頃演劇部に入っていたらしく、演技がとても上手い。



お妃の独特な恐怖感が滲み出ている。



「白雪姫!?私より美しい人なんていてたまるもんですか!猟師!」



お妃役の子から、私の役である白雪姫が出てきてドキッとする。



私の出番はもうすぐだ。



「はい、お妃様」



「白雪姫を森にでも連れて行って、殺してしまいなさい!」



「ですが…」



「つべこべ言わずに連れて行きなさい!」



ここで場面転換。



猟師役の男の子は演劇なんて初めてのはずなのに、すごく役に入り込んでいた。



初の読み合わせでここまでできるものなの?

< 121 / 314 >

この作品をシェア

pagetop