僕の星

メル友君、お断り

 里奈はその夜、寝る前にノートパソコンを開いてメールを確認した。

 そういえば、りっちゃんがPCメールとか伝言とか言っていたな……と、思い出したのだ。
 メールが1通届いている。差出人は律子で、写真が添付されている。

 里奈は開封し、内容を読む前に写真を表示させた。

「んん~?」

 写真を見て、首を傾げる。

 どこかの街のカフェらしき場所で、見覚えのある人物が足を組んで、ゆったりと腰かけている。
 まるでモデルのようなポージングだ。

 テーブルには紅茶、そして文庫本がさりげなく置かれている。

 随分とナルシシズムに溢れた写真だ。
 というより、里奈はその人物が誰であるのか気が付き、呆然としている。

 本文を読んでみると、これまた奇妙な内容だった。



《 森村里奈様 》


 あの日、僕達は偶然にも出会った。
 
 確率的に言えばかなり低い数値のパーセンテージで。

 つまり、ほとんど運命的な出会いだと思わないか。

 この縁を、僕達は大切にするべきだと、思う。

 君が望むなら mail の交換をしても構わない。

 僕はきちんと受け入れる。

 素直な返事を待っているよ。

 
《 from 佐久間進太 私立○×高等学校  2年 》
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