Tower of Fantasy

それぞれの道

。*.*サーラ said*.*。


『サーラ…!なにがあっても、ここに…レクトに、戻ってこい…!』


リューロの必死な声が聞こえたような気がする。

頭がガンガンして、なにも考えられない。


「おい。こいつどうする?」


「高く売れるぜ。バージンだろ?」


「だろうな。じゃあアラスターで売るか」


「あの国は奴隷が売りやすいからなぁ…眠り薬飲ましておくか?」


「そうだな…定期的に」


知らない男の声。

誰よあんたたち。私をどこに連れて行く気なの?アラスターってシルバンより南の国よね…ていうか、奴隷?!

あれ…?眠…い…


………………


「相変わらずこの馬車うるせぇし揺れるなぁ」


また、知らない声…確かにね。ガッタンゴットンうるさいわ。揺れるし…気持ち…悪…眠…


………………


「やっと着いたぞ…砂漠越えきついよなぁ」


また、知らない声…そういえば、シルバンとアラスターの国境あたりに広大な砂漠があるってお父さんに聞いたわ…


「今日はここらで宿とるか…こいつ、どうすんだ?」


「下っ端に見張らしとけよ」


「そうだな。俺らは飲みに行くか!」


…体が重い。



持ち上げられた?みたいね…って、痛っ!投げないでよ!下ベッドでよかったわ…


「なぁー。こいつすっげぇいい女じゃん」


「だよなぁ」


「なぁ。部屋には俺らだけ、チャンスじゃね?」


「確かに。処女じゃなくなりましたなんか言わなきゃわかんねぇよな」


…嫌な予感。体に触れる剣の感触…よかった。取り上げられてない。声を聞いている限り敵は3人。やってみるしかない。


「俺からいただいちゃおっかなー」


–––今!


「っ、」


………


よかった…あんまり強いやつじゃなかったみたい。窓も開いてるし、逃げれるじゃない!


2階の窓から飛び降りて、…痛、着地ちょっと失敗した…

…とりあえず…


「逃げるが勝ち!」


故郷で誰にも追いつけなかった足の早さを生かすときがきたわ!
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