Tower of Fantasy

パーティ成立

サーラが連れ去られて1年という時が経った。

ある日、10代で構成されているように見えるパーティがシルバンの首都レクトの冒険者ギルドを訪れた。

先頭に立っている、金髪碧眼で腰に使い込まれた細身のロングソードと白いアーマーをつけた美しい17歳の少女は、サーラ。

その後ろで小さい女の子を抱き上げている、白黒の身軽なシーフ服を着て腰に使い込んだ業物の刀を下げて長いサラサラの黒髪を後ろでひとつに縛っている18歳の少年はルイス。

ルイスに抱きかかえられて、身長ほどもある長いロッドを握った実年齢61歳人間年齢6歳見た目年齢6歳の眠たげな目をした長い耳の可愛らしい少女はアクア。

アクアはサーラたちが初めてあった時のようなみすぼらしい服でなく、ピンクの可愛らしいワンピースを着ていて、ボサボサだった長く綺麗なシルバーブロンドの髪はサーラによって可愛らしく結い上げられている。綺麗なブルーアイも、今は絶望でなく希望の光が灯っている。


サーラ、ルイス、アクアの3人は、サーラをリーダーとしてパーティを結成していた。そして、アラスターからシルバンへの旅でかなり成長した。その話はまたの機会にしよう。


彼女らは冒険者ギルドの2階に上がり、ファイターのカウンターのところへ行った。


「マゼルダ」


「はいよー」


カウンターの奥から出てきたスタイルのいい女性は、サーラを見るとハッとした。


「サーラちゃん!」


「お久しぶりです」


ニコッと微笑んだ彼女に、1年前の頼りなさはもうない。

髪型は変わっていないはずなのに、何かが違う気がするほどに、内面の成長は外面にまで現れていた。


「リューロはね…そこにいるよ」


マゼルダは歯切れ悪そうにカウンターの一番端を指して、自分もそちらに向かった。

そして、


「リューロ!いつまで寝ているつもりだい?サーラちゃんだよ!」


と、カウンターに突っ伏している男を揺り起こした。


「…サーラだって?」


むくっと身を起こしたのは、茶髪の17歳の少年だった。短かったはずの髪は肩まで伸び、放って置かれていた。そして野性的な魅力のあった顔は、疲れてくたびれていた。

綺麗な黒い目にサーラの姿が映る。


「…リューロ」
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