意地悪な片思い
淡い期待
自業自得…なんだろうけど。
私はパソコン脇からいつもするように遠い彼の姿を盗み見た。藍色がかったストライプの入ったスーツは今日も一生懸命仕事に向かっている。
どうやって彼のこと避けてたっけ、私。
ぼんやりと物思いにふけながらふと考えた。
こんな風に覗き見ることもしていなかったし、帰るときに彼の姿を確認することもしていなかった。
仕事?いやでもイベントの準備が大変で今も忙しいのは変わらないし。
私生活の充実?いや私趣味といえる趣味は持ってないもんなぁ。
友達?いや最近は特に遊びに行っていないし。
仕事中どころか今じゃ帰宅してからも速水さんのことを考えたりする。こんな風に覗き見ることすら止めていたのに。
ともすると、告白されたての頃よりも速水さんのことを気にしているのかもしれない。
いやかもじゃなくて絶対そうだ。
だって。
グイっと私はパソコン横にノートを立てらかせた。
こうしていないと彼の姿をまたつい見てしまう。