社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
社長の猛アタック

内緒にしたい関係

「金曜は大丈夫だった?」


「えっ?」



出社途中、背後から声を掛けられた言葉にドキッとした。


隣に並んだ長身を見上げれば、案の定、長谷川さんだった。



「金曜の長嶺さん、彼氏と別れたのが堪えてたのか、相当飲んでたよ。」


「彼氏?」


「元カレって言うの?遠距離は難しいとか、仕事なんだから仕方ないとか、スゴかったよ。」


「………。」



クスクスと笑い続ける長谷川に唖然とした。



「私………そんな話をしてました?」


「してたよ。相当酔ってたし、健人が送ったみたいだけど襲われなかった?」


「襲う?ないない!」



冗談なのは分かるが、ついムキになって訂正してしまった。


チラリと長谷川さんを覗き見る。



『バレてないよね?』



内心、ドキドキが止まらない。まさか―――。



『付き合うでいいか?』


『…………はい。』



なんて知られたくない。
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