姫、私は誓います。

俺は見守るよ

俺はなぜ彼女を愛しているんだ。自分を責める時、必ずその言葉が出てくる。全く関係のない事で悩んでいたとしてもだ。俺なんかが見合っていい人ではない事くらい分かっている。なのになぜ愛してしまっているのだろうか。答えなんて出ては来なかった。
つくづく自分がバカに思えてならない。まぁ、そんな事昔から分かっていたのにな。母を泣かせる事しかせず、父には見放された。自分が悪い事は分かっていたのにこの世界が悪いんだと言い聞かせた。そして身勝手な恨みを晴らすために兵士になり、姫の命を狙う事を考えた。同じ子供なのにどうしてこうも違うのかと憎らしくなったんだ。
それからは姫の命を狙う事を一番に考えてタイミングを狙っていたが、ラークペイにはいつも邪魔されていた。ラークペイは同い年だったせいかいつも俺と一緒に歩いた。仲が良いのは上部だけ。正直、鬱陶しくて仕方がなかった。口を開けば憎き姫の事をベラベラと喋り、単純な事ですぐ悩み落ち込む。自分が出来なかった事をしているラークペイに苛立ってしかいなかった。
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