姫、私は誓います。

前を見たいんですよ

まだ、眠いな。私はもう少し眠っていたかった。まぁ、永眠は困りますが寝不足も困ります。

「大丈夫?」

「えぇ、まぁ、なんとか・・・」

まだ頭が働かない。彼女を守るためとはいえ、睡眠中は邪魔しないでもらいたいものだ。私は眠気を覚ますのに目の前にあった湖で顔を洗った。しかし、何者かに手を引かれて湖の中へ落ちてしまった。
あぁ。私、死ぬのかな。諦めて目を開けるとレイア姫に似た女性が狂喜的な笑みを浮かべて私を底へ、底へと引きずり込もうとしていた。本当に朝から最悪な1日だ。町の住民には犯罪者扱いされ、亡くなったはずのレイア姫には死へのお供をさせられそうになっているだなんて。
確かに嘘は吐いた。でも、先に手を出そうとしたのはあの娘さんの方でしょう。そして、レイア姫が亡くなってしまったのは私がどう頑張ろうと決まっていた事なのでしょう。
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