姫、私は誓います。
四章・幾度の出会い

一応初めましてか

出来れば少し会いたくなかった。僕の体は震えていた。レイア姫に仕えていた皆と離れて、僕はまた昔のような暮らしに戻ってしまった。おかげで、久し振りに会えた信頼できる仲間の前でも裏切られるかもしれないという恐怖が僕を掴んで離さなかったんだ。
皆と再会して一週間、ただひたすら森の出口を探し歩いていた。その間にクラウドに治してもらった傷は完治し、ウィルとかいう彼女とも普通に話せるようになった。ただ、同じくらいの歳の女とこうして話す事がなかった僕にとって少し緊張してしまう何かがあった。

「ウィルはさ、どうしてランバートと一緒にいるの?」

ふっとそう聞いてしまう時がある。彼女は霊体という変わった体をしているランバートに凄い信頼感を持っている。一緒に兵士をしていた時はよく分からないけど近寄りやすい人としかランバートを思っていなかったから、そこまで信頼を寄せる彼女が不思議でたまらなかったんだ。
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