ロリポップ~甘い甘い恋に堕ちましょう

自覚



駅に着きました。


今夜はすごーく長かったような気がします。
でもすごく楽しかったです。

はい、もうお酒は呑みませんよ!
あんなつらい思いはしたくありませんからね。

……でも、気持ち悪くなるまでは楽しかったな。

はぅぅ。
もう呑みませんったら!

不良は今日限りなのです。
一夜限りの過ちなのです!


はい?手はつないでるのか?ですか!?

はい……。
結局手はつないだままです。はい。


「藤木くんはJR?」
「はい、オレ山手線です」

絵里さんの質問に答える藤木くん。

「真由ちゃんは?笹塚だったっけ?」

今度は私に訊いてくださいます。

「はい」

「じゃあ京王線か」

「はい」

「あ、オレ京王線の改札まで送るよ」

えぇ!?

思わず桃川さんの横顔を見るとこちらを見返して、
「ねっ?」
とステキなスマイルで同意を求めてきます。

「え、い、いいですっ!悪いですっ!いいですよぉ」

空いてるほうの手でブンブンブン。丁重にお断りします。

「いや、酔っぱらってるし」

「いえっ、もう大丈夫ですよっ」

「いいのっ。改札まで送りますよ」

「うん、真由ちゃん。そうしてもらいな」

えぇ!?絵里さんまで。

「私も心配だし。ホントなら家まで送ってもらってほしいくらいだけど、モモの終電もあるしね」

「うん、そういうこと。オッケー?」

「……はぁ」

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