ヴァンパイアの花嫁

血の香り

エミリオとレオンは居間のソファに向かい合わせに座っていた。


レオンの横には車イスから移動したシェリルが座っている。


エミリオはわからないように顔をしかめた。


シェリルのむせ返るような香(かぐわ)しい血の匂いによくレオンは平気でいられるな。


「アシーネはどうしたんだ?」


レオンが聞く。


エミリオは常に恋人のアシーネと行動を共にしている。


「まだ実家にいるんだ」


彼らの言う実家とはヴァンパイアの世界のこと。




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