異能者達の宴~夢の競演特別編~
第三章

メグ

洋館の玄関から走り出る。

門を隔てた道路に立っていたのは。

「……」

一人の少年だった。

年の頃13か14くらいだから、ななみと同じくらいだろうか。

短く切り揃えたサラサラの髪の毛。

柔和な表情。

一見すると少女にも見えるような、いわゆる美少年だった。

「あ…れ…?」

修内太が拍子抜けしたような声を出す。

「何だ?…哲平の言っていた異形者が攻め込んできたんじゃないのか?」

…そう。

外見だけで判断すれば、修内太のような感想が漏れる筈だ。

しかし。

…哲平、黛、ななみ、そして私。

つまり修内太以外の四人は、目の前の少年に対して警戒を解く事はしなかった。

哲平達三人は、実際に異形者に遭遇しているから、そいつがどんな姿形を知っている。

そして私は…目の前に立つこの少年から発せられる、並々ならない威圧感を感じ取っていた。


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