恋 時 計 ~彼はおまわりさん~

女子高の秘密




「おはよう!」


チャイムと同時に教室に入った私。

今日も滑り込みでセーフって思ってたら、担任の鈴木先生は既に教室にいた。



「青木、今日もギリギリだな~。
今度遅刻したら俺の部屋の掃除してもらうからな」


新任の若い鈴木先生は、嫌みのない笑顔でプリントの束を丸めて私の額をコツンと叩いた。



も~、間に合ったんだからいいじゃない。


脹れた顔で席に着く私に、クラス中の視線が向けられた。



「ねえ、鈴木って美樹には優しくない?」

「えっ、そんなことないよ。叩かれたし……」



隣の席の親友の智子に言われてる意味が全然わかんない。



「だーかーら、それが優しいって言ってんの。
あんなふうにちょっかいかけられてるの美樹だけだよ?」

「そうかな~。私はほっといてほしい」



叩かれた額を触りながら智子に言った。


だって、私はおまわりさん以外に興味ないから。





< 13 / 712 >

この作品をシェア

pagetop